元図書委員、また本を読むってよ。

 

本を読んでいる。

 

電車の中で、飛行機の中で、講義前の教室で、ベッドの上で。

 

それはとても幸福で満ち足りた、つかの間の現実逃避のような時間だ。

 

ページをめくるとき、私はいつもどきどきとする。

 

不幸なあの子はどうなっちゃうの。

 

あの犯行の犯人は誰なの。

 

そうしてほろほろと泣いたり、

 

ときにはくすりと笑ったりしながら一冊本を読み終わると、

 

私は深い深いため息をつく。

 

ああ終わっちゃったのか。

 

ああ。

 

それは上映がおわった映画館で、エンディングロールをずぅっとみているような感覚に似ている。

 

さみしいけれど、すっきりとした心地のよい瞬間。

 

 

 

昔から私は本を読むことが大好きで、いつも教室のすみで読書に勤しんでいるような子供だった。

 

ほくほくと読書をたのしんでは、友人に、藤原ちゃんってほんとに本がすきだねぇ、なんて言われたり、小学校の卒業文集には「小説家になりたい」なんて書いたりもした。

 

今もそれは変わらない。いや…

 

少しだけ病気をして、文字を追うことがむずかしくなった時期があった。

大好きな本の内容も、参考書でさえ頭に入らなくて、その活字は私を内容関係なしにほとほとと泣かせたのだ。

 

 

しかしながら回復して、私は今再び読書を楽しんでいる。

 

先日は桜庭一樹さんの「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を読んだ。

 

中学のときにそのタイトルを見て、ああ、読まなければ。と思った本だ。

 

実際。

 

その本はとても…

 

おっと。

 

 

 

私は本を読んでいる。

 

それをTwitterで報告する。

 

すると反応をくれる方が多くいる。

 

そんな世界に身を置いて、私は多少なりとも、しあわせではないかと。

 

そう思うのであった。